【ネタバレなし感想】「未来」湊かなえ|無関心という罪

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📘タイトル:『未来』
🖋 著者:湊かなえ
📅 発行年:2018年5月19日(双葉社)
📚 ジャンル:ミステリー、ヒューマン

オススメ度(MAX5)

★★★★★

  • 心理描写がとても繊細でグイグイ引き込まれる
  • 祈るくらい主人公の幸せを願うドラマチックな展開
  • あとがきまでが本編。ひとりでも多くの大人に読んでほしい。無関心が引き起こすものが何かを考えていきたい。

あらすじ

「こんにちは、章子。私は20年後のあなた、30歳の章子です。あなたはきっと、これはだれかのイタズラではないかと思っているはず。だけど、これは本物の未来からの手紙なのです」

ある日突然、少女に届いた一通の手紙。

送り主は未来の自分だというーー。

家にも学校にも居場所のない、追い詰められた子どもたちを待つ未来とは!?

デビュー作『告白』から10年、新たな代表作の誕生!

(Audible商品サマリーより引用)

感想

前半は手紙形式で主人公・章子の身に起こったことを辿っていき、後半は語り手が変わって点と点が繋がっていくという、湊かなえさんお得意の手法である。

徐々に明らかになる驚愕の事実が胸を締め付ける。小説にこんなに心かき乱され、祈りをこめて物語を見守ってしまう。

湊かなえさんの筆力に脱帽!

あとがきで、これは決してフィクションではなく現実のほんの一部を切り取ったもの、近くにいる子どもたちはどうなのだろうと少し周囲を見渡してくれれば……といった主旨のことをおっしゃっており、これがこの本の存在意義であると感じる。

「知ること」「知ろうとすること」

表面だけを見て判断するのではなく、どうしてそうなっているのだろうと考える想像力。

それを1人での多くの大人が持つことができれば、それをされた子どもが大人になった時にまた子どもたちにしてくれれば……そういうバトンが繋がっていけばいいと思う。

あとがきまでが本編。

ぜひたくさんの大人に読んでみてほしい。

あなたは、何を感じますか。

近くに、そういう子どもはいませんか?

…本当にいませんか?

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