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📘タイトル:「母性」
🖋 著者:湊かなえ
📅 発行年:2012年10月31日
📚 ジャンル:ミステリー、ヒューマン
オススメ度(MAX5)
★★★⭐︎⭐︎
- 読み手によってかなり評価が分かれそう
- リアルな心理描写は流石!
- 母娘視点が章ごとに入れ替わり、少し混乱しやすく読みづらく感じるかもしれない
- 出産を経験した女性に特にオススメ
あらすじ
女子高生が自宅の中庭で倒れているのが発見された。
母親は言葉を詰まらせる。「愛能う限り、大切に育ててきた娘がこんなことになるなんて」。 世間は騒ぐ。これは事故か、自殺か。
……遡ること十一年前の台風の日、彼女たちを包んだ幸福は、突如奪い去られていた。
母の手記と娘の回想が交錯し、浮かび上がる真相。これは事故か、それとも――。
圧倒的に新しい、「母と娘」を巡る物語(ミステリー)。
(Amazon商品紹介ページより引用)
感想
母と娘、2人の視点で交互に語られる形式。
母の視点と、娘の視点とで同じエピソードについて語っているが、読み進めるごとに削ぎ落とされたところ、事実と異なることが炙り出されて面白い。湊かなえさんの筆力に驚くばかり!
「母性」とは。自身も子を産み、実母からも惜しみない愛を受けてきた。
母視点、娘視点どちらにおいても共感できるフレーズが多々あり、「出産=母性が立派に芽生えて母になる」という単純な話ではないのだと感じる。これは出産経験のある女性にも共感する人が少なくないと思う。
「母である」ことと「娘である」ことは両立し、心の中でバランスを変えていくものだと思う。
この「母である」ことの比率を高めていくには時間がかかるのだ。
もちろん我が子は愛おしい。何者にも代え難いほどに。その愛情と、甘やかされていたいという切望は両立するのだ。
そんな人間の感情の機微を鋭く捉えた良作でした。しばらくは湊かなえブームが続きそうです。
(注意⚠️以下、ちょこっとネタバレ)
読む前はサイコパスの母親が娘をひたすら苦しめる話だと思っていました。しかし実際読んでみると、母は母なりに自分が思う愛を与えようとしていただけという、どんな親でもしでかしてしまいそうな発想により生じたすれ違い、記憶のねじれのように感じました。ここは意外でした。さすが湊かなえさん。ただのサイコパスではなく、人間臭さ故の歪さに落とし込んでいました。
戸田恵梨香×永野芽郁W主演で映画化されています。
小説からでも映画からでも、是非この作品に触れてみてください。
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