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📘タイトル:『ホロー荘の殺人』
🖋 著者:アガサ・クリスティ
📅 発行年:1946年
📚 ジャンル:ミステリー/「エルキュール・ポアロシリーズ」
オススメ度(MAX5)
★★★★★
- 「こういう人いるいる」「もしかしたら自分にもこういう面があるのかもしれない」と思わされる、リアルな心理描写
- 恋愛要素多めのミステリー好きな方にオススメ!もはや恋愛小説。
- 魅力的な4人の女性、2人の男性が織り成す人間ドラマに引き込まれる!
あらすじ
アンカテル卿の午餐に招かれたポアロを待っていたのは、血を流している男と、その傍らでピストルを手にしたままうつろな表情をしている女だった。
それは風変わりな歓迎の芝居でもゲームでもなく、本物の殺人事件だった!
恋愛心理の奥底に踏み込みながらポアロは創造的な犯人に挑む。
(Amazon商品サマリーより引用)
感想(※ネタバレあり)
本作ではポアロの活躍はかなり少なめ。クリスティも語っている通り、本作はドロドロとした人間関係をそれぞれの視点から緻密に描きドラマが作り上げられている。名探偵ポアロが入り込むことで、自由に泳いでいた魚たちが突如まな板の上にのせられたような感覚になる。
クリスティは後に自伝の中で、この作品にポアロを登場させたことについて、「ポアロのおかげで台無しになった、ポアロが登場するのはごく自然だが、この物語そのものに合わなかった」と述べている(マッシュー・ブンスン『アガサ・クリスティ大事典』(柊風舎、2010年)p.177)
印象に残ったこと
4人の女性の生き様
本作には魅力的な女性が4人登場し、それぞれの生き様に魅了される。
彫刻家のヘンリエッタ、周囲からみくびられているガーダ、庶民で現実的なミッジ、天真爛漫な女主人のルーシー。
作中で1番感情移入してしまったのがヘンリエッタだ。
冷静で何でもわきまえているような態度に見えたヘンリエッタの愛し方。愛や苦しみを芸術に昇華する強さと切なさに胸をつかまれた。
愚鈍なふりをしてみくびられた方が周囲を利用できる、という計算をしているガーダの賢さにはぞくりとさせられる。
ミッジは私も庶民だからか(笑)身に覚えのあるような恋愛をしている。
ルーシーには作中人物同様かなり振り回された(笑)
様々な愛の形
愛した人の守りたかったものを守ろうとするもの
崇拝にも近い愛情を抱いていたもの
一途に愛しぬくもの
様々な愛の形が迎える顛末がいずれも切なさを帯びていた。
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